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オリジナルBL小説をお披露目しちゃいます

テンシの誘惑 解説

このサブブログ1にて、これまで披露してきたオリジナルBL小説の大半はその昔、BL商業誌の新人賞に応募した作品ということはブログ開設当初に述べました。その際に、当時最高位(準入選)の評価を受けた作品がこの『テンシの誘惑』。つまり過去作ナンバーワン…

Cancan spitzと呼ばないで ⑨(最終章)※18禁🔞

第九章 愛しのスピッツ 翌日。 けっきょく堂本は朝まで戻らず、FSSに顔を出すこともなかった。 その次の日、金曜日の朝イチ。 オレは椎名さんに呼びとめられ、奢るから一緒に昼メシを食いに行こうと誘われた。オレのランチ仲間の不破たちには既に話してお…

Cancan spitzと呼ばないで ⑧

第八章 扉の向こう 「大丈夫か? おーい、村越くん」 気がつくと、堂本が心配そうな顔で覗き込んでいるのが映った。 そうだ、オレたちはヤのつく自由業風の連中に絡まれて、それで…… 「救急車を呼びましょうか?」 お巡りさんの一人がそう訊いてくれたが、た…

Cancan spitzと呼ばないで ⑦

第七章 椎名ファミリー 「『ナポリの酒房』って、この前の送別会の二次会で行った店ですよ」 「へー。誰と?」 「富山さんと森下さん、それからいつものメンバー」 「ああ、不破たちか。おまえら四人は研修のときからずっと仲がいいよな。オレの同期は人数少…

Cancan spitzと呼ばないで ⑥

第六章 『ブラッディ・イヤリング』再び 意外とユルい工程表のお蔭で、さっさと仕事を進めろと急かされるでもなく、オレたちのOJTはゆったりと続いていた。 今日は本社勤務とかで堂本の姿はなく、椎名さんも業務課の方へ行ったきり。自然とやる気がなくな…

Cancan spitzと呼ばないで ⑤

第五章 無責任な噂話inナポリの酒房 堂本の心配は無用のものになった。 鳳凰の間に戻って五分と経たないうちに、どうやって成海を説得したのかわからないが、来宮さんが戻ってきたのが見えた。 それはいいけど、たちまちお偉方に取り囲まれる来宮さん。オッ…

Cancan spitzと呼ばないで ④

第四章 心の揺らぎ 次の瞬間、いきなり掌で口を塞がれて心臓が止まったかと思うほど驚いた。 まるで油が切れたゼンマイのおもちゃのような、いかにもぎこちない動きでこわごわ後ろを振り返ると、ニヤニヤ笑いを浮かべた堂本がもう片方の手を唇に当てて「静か…

Cancan spitzと呼ばないで ③

第三章 キノコちゃんの秘密 送別会兼歓迎会の日。 ただし、来宮さんの場合、本社に栄転するという理由からか、送別会というよりは祝賀会の意味合いが強いので、今回の催しは各開発部単位のささやかなイベントではなく、全社挙げての行事になるらしい。 よっ…

Cancan spitzと呼ばないで ②

第二章 同僚の美少年 異動は移動とは違う。 人の場合、こちらからそちらへ物を動かすように、ホイホイと移れるものではない。 本社のプリンタ部統括所属と紹介された堂本だが、これまで向こうで担当していた業務と調整をつけながら──なかなかやっかいな仕事…